高次の精神性をリアルに思い浮かべる必要がある

ネットが危険なのは匿名をいいことに倫理に反したことを平気でするような人間の存在があるからです。性善説はネットに関しては通用しない。

　陰善を積むとは真逆の、「小人閑居して不善を成す」の状況です。

陰善とは、褒められることを期待して行う自己顕示的な善行ではなく、見返りを期待せず誰にも知られることなく、密かに善行を積むことです。神様だけが見ていることになる。

「小人閑居して不善を成す」は中学の漢文の授業で教わりました。「小人（しょうじん）」とは福武国語辞典によれば「心がせまく思慮分別の足りない人。小人物。」のこと。そういう人は人目があるところでは世間体を気にして振る舞うが、ひとりっきりになると、こそこそ悪いことをするということです。

匿名のネット界でウイルスや炎上や差別やらで暴れ回る連中もその範疇に入りますね。

（国家ぐるみでネットを使って攻撃する場合は、破壊に従事する人間に命令している国家権力が問題であり、ネットと国家や民族レベルの話になって、大きな悪【アーリマン】の介入が考えられます。しかし、今は個人の人間性にだけ注目することにします。）

　行などを積み、精神性が高まらないと、人目のないところでも自己を律して倫理的に行動することはできない。

　あまりに高潔な人は尊敬に値すると同時に手の届かない存在にも感じられますね。高度の精神性が人間を超えた存在にまで広がっていると主張するのがシュタイナーです。

人間の低次の感情がすっかり昇華され、感情を担っているアストラル体が変化すると、高次の自我である霊我が生じます。その霊我が完成した存在がキリスト教神学で言うところの天使です。天使はすでに物質の肉体を必要としない存在で、物質界には姿を現さない。その天使の聖なる精神性をいまだに煩悩に揺れ動く人間が想像しようとしても、想像し切れるものではないでしょう。それは人間にとってイデアのような観念的なものにしか思えないかもしれません。

　でも、理念の高見に立って事柄を展望することは必要だと思います。あまりにも多くの愚行がはびこっている世界。それを忍受し、この状況は変えようがないと諦めてしまっては、本当に世界は破滅の方向へ進むことでしょう。

理念にも耳を傾け、存在するわけがないと思われがちな高次の精神世界に想いを馳せる人が増えれば、世界は変わるかもしれません。

また広い宇宙には地球以外にも生命を育む星が無数にあるはずです。そうした存在にも思いを向けてみましょう。

遠くの宇宙に地球とは別の文明があるとして、その文明が地球同様、精神的に未熟な知的生命体によって作られたものだと仮定しましょう。そんな文明は早晩、核戦争や資源枯渇などで滅びます。文明は千年も続かず、他の星を訪問することもできない。

国境線の線引きで戦争を起こし殺し合ったり、同一宗教内部でさえ宗派の違いで殺し合う人間。その野蛮な闘争本能が当たり前と思っているのは地球人だけかもしれません。

欲望を前提にした株式などの自由市場経済。その原理に基づく資本主義。これも利益を争うような人心がなくなれば、成立しない経済原理です。教育や環境のために低金利でお金を貸し出すエコバンクのような制度は金儲けの欲望が消えていく途上に一時的に必要なものでしょう。

独裁や統制で人民を支配しようとする地球製の社会主義。真の社会主義の実現は、平等と友愛と精神の自由が前提になるはずです。その実現には成員の精神性の高さが不可欠です。

今の地球社会を動かしている原理はすべて現在の人類の高いとは言えない精神レベルに基づいたものであり、そのレベルが上がれば、機能しなくなるものがほとんどです。

はるかな宇宙から地球を訪問している異星人が実在するとすれば、彼らは戦争をするような野蛮さをとっくに克服しているはずです。

彼らは天使までは進化していなくても、天使と人間の中間域くらいまでの精神進化を遂げているのではないか。

精神進化のおかげで文明が戦争などで中断したり滅ぶようなことなく、数万年単位で継続した末に時空の秘密原理を解明し、はるかな距離をワープしてくると想像してみよう。

そのような異星人を侵略者とみなすことは己の野蛮さを相手に投影しているに過ぎないでしょう。

その異星人の乗り物を撃ち落とし、技術だけを盗んで、低い精神性のまま攻撃に使うようなことが本当にあるのなら、実に忌まわしいことです。

しかし付け焼刃の技術の先に未来の平安はありません。

意思の力が物質に作用するのが未来科学の常識であり、UFOの操縦も意思の力を使うのが本当だと仮定しましょう。一部の人間が低い精神性のまま意思を使って飛ばすUFOはきっと不安定な飛び方しかせず、異空間には入っていけないことでしょう。

コンタクティーたちが言うように異星人たちが地球を見守り、いざというときに介入することが本当なら、地球を牛耳っているつもりの陰の権力者たちの力を消し去ることもできるはずだと思います。

以上は私が毎日の政治・経済の営みを見ながら、地球外にまで思念を広げて考えていることです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１６年２月記