シュタイナーと異星人問題― シュタイナーのテーマを越えて ―
( 第三回《テーマ・シュタイナー》１９９３年１０月１６日 ）
通信１０月３０日
はじめに
シュタイナーの進化論はど こまで異星人を説明できるか
進化期と人間進化
太陽系だけで考えるシュタイナー
宇宙は同時にひとつの進化期にあるか
根源人種と意識形態の進化、不妊化、テレパシー
文化期とＵＦＯ
異星人は友好的か
進化の違い
月に棲むアストラル的小人
会ではシュタイナーの進化論による異星人解釈について十分述べられなかったので、この通信の場 を借りて少し展開してみたい。
会のために書いた文の中で、異星人のもつ特性として、テレパシーによる意志伝達、思念の読取りなどが あった。高い精神的存在を思わす異星人がいる一方で、地球人を誘拐・身体実験するようなタイプの異星人もいるようだとも述べた。また、ユリ・ゲラーの話と して、異星人が肉体をもたない光の存在にまで進化する可能性なども挙げた。このような諸特性を総合的・根本的に説明できる原理はないものだろうかと考えた 場合、シュタイナーの霊的進化論が案外役に立つのである。ＵＦＯの特性としては瞬間移動や重力を制御しているとしか思えない急激な方向転などがあった。文 中では明確に論及しなかったが、宇宙船から光が投げかけられ、その光束の中を異星人が空中浮揚しながら地上に下りたり（レンデルシャムの森事件）、逆に人 間をその光に乗せて吸い上げたりする報告もある。これらの報告が真実なら、我々は、何百年、何千年も先行する文明の技術を見せつけられ、玩ばれていること になる。しかし進んでいるのは技術だけなのだろうか。唯物論に染まった現代人は技術の進歩にばかり目がいきがちだが、人間の意識の在り方の変化、それに伴 う思念伝達方法の変化なども考えに入れなくてはなるまい。しかしテレパシーの存在すら「超常現象」として否定する、既成観念の枠を出ないタイプの科学者に は、この先は一歩も進めなくなる。人類の進化を、原人からの物質的な脳の進化として捉え、この先の人間の進化に関しては、コンピュータに依存した人間像し か描けない彼らの想像力には、肉眼には見えぬアストラル体の存在や、その進化が可能にするテレパシー現象などは入ってこないのである。そしてとどのつまり が、このような異星人の「超能力」とＵＦＯの不可解な動きは、現代の科学に照らして理解できないというだけで、真面目な研究対象からはずしてしまうのであ る。もっとも、もし一部の報告にあるように、米国が秘密裏に異星人の技術を借りて地球製ＵＦＯの製造を目指しているとすれば、声高にＵＦＯや超能力を否定 してみせる日本の科学者などはつんぼ桟敷に置かれた時代遅れの人間でしかなく、状況はかなりピエロ的である。
シュタイナーの霊的進化論が、異星人存在を理解する手がかりになるといっても、彼の唱える人智 学全体が異星人問題と相容れるわけではない。シュタイナー自身はこの問題について何も述べていないし、彼の話の中で人間より進化した存在としては、もっぱ ら霊的存在ばかりが登場する。しかし、これは彼が自分のテーマ以外は霊視しないし、そのテーマ自体、時代の認識に規定されている面があるという事情による ということもできるのである。シュタイナー（１８６１ー１９２５）の時代、大衆はＵＦＯの存在などは知らなかったし、彼らはたとえＵＦＯや異星人を目撃し たにしても、対応させるべき観念としては霊的な存在しかもっていなかったろうと思われる。シュタイナーが目撃していたらまた違っていたろうが。とにかく、 彼はＵＦＯを知らなかった。彼の人間進化論は、もっぱら地球の人間の進化を念頭において語られた。しかるに、これが、太陽系以外の惑星系で地球人より進化 していると思われる異星人の在り方をうまく説明できてしまうのである。シュタイナー自身は意図していなかったにしろ、この事実は興味ぶかい。
シュタイナーが述べる地球の進化段階は、一番大きなスケールでは次のようになっている。
ヴァルカン進化期 ← 金星進化期 ← 木星進化期
↑
地球進化期↑
土星進化期 → 太陽進化期 → 月進化期
この進化図はとんとんと昇っていく階段のようなふうにイメージするのは間違いであろう。木星進 化期以後の進化は、人間が正しい道を歩み続ければいつかは到達するはずの段階だが、地球進化期から見れば、遥か彼方に揺らいでいる蜃気楼のような世界であ る。そもそも木星進化期の人間は現在の天使、金星進化期は大天使、ヴァルカン進化期は権天使レベルの存在なのだから、その遥かさは、気が遠くなるほどであ る。いま現在の自分を振り返って見れば、こんな自分が次の天使レベルに達するのはいつのことやらと思われる。その一段階のレベルアップは、鉱物から植物、 ないしは植物から動物、あるいは動物から人間への一段階アップに相当するものであるから、その懸隔たるや大変なものである。木星進化期以後の人間存在は、 肉体をもたぬ存在と化しており、これがゲラーのいう、肉体をもたぬ光の存在に対応すると思われる。シュタイナーのいう天使や大天使や権天使は肉体がなく、 最低次の構成要素がそれぞれエーテル体、アストラル体、自我という霊的存在であって、物質世界には直接姿をあらわさない。この存在はそれぞれ、月進化期、 太陽進化期、土星進化期の時に人間レベルを経験している。しかし現在の物質界は地球進化期になって初めて現われたのであるから、彼らは現在の人間の肉体の ようなものには一度も入りこんでいない。現在の天使は物質界を体験していないのである。それに比べ、人間が転生しつつ物質界を経験しながら進化して木星進 化期に進み、いまの天使レベルに変身した場合、現在の天使とは経験してきたものが違うことは確かだ。木星進化期の存在は、地球進化期の転生中に育んできた 少しずつの霊我を掻き集めたものを「体」にしている。しかし地球進化期中に霊性の涵養を怠っていた人間は、その変身ができず、木星進化期に入って元の人間 レベルに停滞し、ある種の結界を作ってそこに集団で住み着くしかない。そして、現在の天使が、我々人間ひとりひとりの転生を見守り進化を促しているよう に、木星進化期に天使レベルに達した者たちは、一種の「地上界」に止まる人間たちを見守り、その進化の手伝いをすることになる。ここまではシュタイナーが 神秘学概論などで述べていることであるが、この先想像をたくましくすると、物質文明の体験の記憶をもつその指導霊たちは、「地上界」の人間たちの前に現わ れるとき、「乗り物」を考えつきはしまいか。それがいま我々が見るＵＦＯのようなものであったらと考えられないだろうか。ただし、現在地球に現われる ＵＦＯにも、いろんな種類があって、墜落して残骸を回収されてしまうような物質的なものから、太陽のように輝くばかりの、非物質的なものまである。木星進 化期の「乗り物」には後者のＵＦＯを想像したい。こうして、遠い別の銀河の惑星系で現在、木星進化期に入っている生命存在が、そこの「地上界」からスリッ プして、地球に現われてきたのが、ゲラーのいう光の存在のような異星人であり、そのＵＦＯであると考えるのは空想でしかないだろうか。
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ここで考えなくてはならないのは、ひとつの惑星系が地球進化期にある時に、別の惑星系が木星進 化期にあるなんてことがありうるかという問題である。シュタイナーは進化期を太陽系に限って述べたため、他の惑星系の進化に関しては推理するしかないが、 普通に考えると、惑星系が別べつの進化期にあるなどということはなさそうに思える。シュタイナーはただの物質的な天体というものは考えず、つねに高次霊と 結びつけるが、恒星は主天使が支配しているという。太陽の場合、力天使（主天使よりひとつ下）レベルのキリストを最高次の霊のように言っているが。銀河の 発見はシュタイナーも知っていたようだが、銀河レベルに対応する霊的存在については何も言っていない。主天使より上位には座天使、智天使、熾天使があるか ら、これらが、銀河と、各銀河を統治する存在という風に当てはめることができるだろうか。
これをまとめるとこんな風に想像される。
天使・大天使・権天使のヒエラルキーは地球に関わる。
能天使（エロヒムなど）・力天使（キリストなど）は太陽系に、主天使 は銀河系内の他の太陽系に関わる。
銀河系の中心、その外の銀河の中心に座天使、智天使、熾天使がいる。
そして多くの銀河を包摂する大宇宙の背後に神性がある。
シュタイナーは当時のカント・ラプラスの太陽系生成論に興味を示し、その原子太陽系雲から惑星 が分離生成される様子を自分の説明にも援用する。違いはシュタイナーの場合、生成の背後に高次霊の意志を加えるところだけである。その際、原始太陽系の外 側から、すでに地球進化期の進化を終えた智天使らが生成の手助けをしていると考える。シュタイナーがこのように、太陽系の内と外しか分けなかったのは、当 時の宇宙観の限界によっていると言える。したがって、シュタイナーの考えを現在の宇宙観に当てはめて、その考えを銀河宇宙にまで広げて類推してしまっても 人智学からの逸脱ということにはならないだろう。
さて、それでは進化期の問題に戻るが、現在の地球進化期は、太陽系に限定されているのだろう か。それとも銀河系全体、さらには宇宙全体が同時に同じ地球進化期にあるのだろうか。各進化期では界を構成する基本素材レベルが違うので、同じ時空にあり ながら進化期が違うというのは普通には想像が難しい。しかし、地球に限って展開していたシュタイナーの話を広大な大宇宙全体に拡大解釈してしまうのも問題 のような気がする。ニュートンの静的絶対空間の観念がアインシュタインの相対性理論によって崩れさり、時間と空間が有機的に絡み合っていることがわかった のは比較的最近である。今夜空に見えている宇宙空間が均一な時空の内にあるという考えも果たしていつまで続くか、というふうに想像すると、単純な宇宙像 は、現在の我々の認識に限定された錯覚なのかもしれないとも思えるがどんなものだろうか。そんな風に考えると、遠くの銀河の中で、木星進化期レベルの次元 の違う進化が起こっていると考えるのも、そんなにＳＦじみてはいないと思えてくる。
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進化期が異なる場合はこのような問題が生じてしまうが、同じ地球進化期中での進化の違いとなる と、もっとありそうに思える。木星進化期に至るまでの、もっと小さな段階的進化は次のようである。
第七根源人種 ← 第六根源人種 ← 第五根源人種 （現在の段階）
↑
極地人種 → 極北人種 → レムリア人 → アトランティス人
この第六、七根源人種はまだ肉体はもっているが、その在り方、意識形態は現在の人間と比べ、相 当変化している。アストラル界は見えていたが悟性魂がまだないレムリア人、エーテル界は見えていたがまだ意識魂がないアトランティス人、アストラル・エー テル界は見えなくなったが、物質界の内に入りこみ、意識魂をまとった現人類と進化してきたあと、今後は再びエーテル界が見え始めるとシュタイナーはいう。 第六・七根源人種が具体的にどんな様子をしているかについての言及はないが、今後、心臓は随意筋となって、意志的に動かすことになり、発声器官は自分と等 しいものを生み出す一種の生殖器官となると『アーカーシャ年代記より』にはある。また西暦７千年紀には女性は皆生殖機能をなくすということも言っている （全集１７７、８１ページ）。これはおよそ第六根源人種の始まりに当たる時期である。将来の人間は、今とは全く違う繁殖の仕方をするようである。１９８０ 年４月２日フィンランドのプダスジャーヴィで窓のついた銀色のドーム型ＵＦＯの中に連込まれ、身体検査を受けた女性アイノ・イヴァノフは、反戦メッセージ の他に、自分たちはこどもを生めないという話をＵＦＯ乗員から聞かされている（『ＵＦＯに関する極秘ファイルを入手した』リチャード・ホール著、ワニの 本、１０２ページ）。また、１９７９年７月２日、アメリカのＵＦＯ研究家ストリングフィードルのもとに、１９５０年代、墜落したＵＦＯ乗員を解剖したと称 する医師から手紙が届いたが、その中に述べられている所見には、異星人の性器は退縮していたとある（『米政府は異星人の死体を隠している』、南山宏著、学 研、ＭＵ ＢＯＯＫＳ、２０５ページ）。
他の惑星系で、シュタイナーがいう第六・七根源人種の進化段階にある異星人が存在するという想 定は、異なる進化期にある異星人という想定よりもありえそうな気がする。第六・第七根源人種の意識状態についてシュタイナーは詳しく述べていないが、認識 世界の拡張がまず考えられる。肉眼に見えるもの以外に、相手の気の動きも分かるだろう。敵意があればすぐそれと分かったりするだろう。
天使存在同士の意志の伝達が、フレーズ全体が一度に相手に伝わる方式であることを私はシュタイ ナーの講演のどこかで読んだ覚えがある。これはテレパシー伝達に他ならない。木星進化期に達すれば、全面的にその伝達方式になろうが、それ以前はアストラ ル体の進化そして、そこから生まれる霊我の成長に合わせて、徐々にテレパシーによる伝達に移っていくものと思われる。アストラル体の喉の１６弁のチャクラ の活性化が思念の感得に関与するのである。第六・七根源人種の段階にある異星人が、そのようなテレパシー意識にあるということは十分想定できる。ジェット 機の戦闘員が追跡するＵＦＯを攻撃しようと思ったとたん、電子機器の作動を妨害され攻撃できなくなったりするケースはＵＦＯ乗員のテレパシー能力によるの であろう。
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シュタイナーは第六根源人種にいたるまでの時期をさらに次のように細分している。
第七文化期（紀元５７５０ー６９００年ごろ）
第六文化期（紀元３６００ー５７５０年ごろ）
第五文化期（紀元１４５０年ー３６００年ごろ、
現代はここに当てはまる）
第四（古代ギリシャ・ローマ）文化期
第三（古代エジプト・カルデア）文化期
第二（古代ペルシャ）文化期
第一（古代インド）文化期
人類より数世紀進んでるだけと称するウンモ星人はこのスケールでとらえることができるだろう。 私の考えでは、とくにこの第六・七文化期に相当する進化段階にある異星人が、地球人の身体を直接調査・研究するのではないかと思っている。ウンモ星人も最 初の探検隊は洞窟に潜んで基地を作ったあと、１９５０年４月２４日夜、近くの農家に押し入り、農家の住人を気付かないように麻酔で眠らせておいて、初めて みるその体を調べ、汗、毛、分泌物のサンプルが採取されている（『宇宙人ユミットからの手紙』、徳間書店４６ー４８ページ）。第六・七文化期よりさらに進 化すれば、地球人を調べるのに直接接触しなくてもいいような能力を身につけそうに思われるがどうだろう。クリア・ヴォランス（透視）の力が増せば、物理的 な検査は不要になりはしまいか。
さて、ＵＦＯやその乗員の異星人は人間より進化しているといっても、必ずしも皆が紳士的ではな い。これまでのＵＦＯ事件簿を繰ってみても、１９４８年１月７日、マンテル大尉がＵＦＯ追跡中墜落死した事件を皮切りに、１９６２年１０月１９日、アルゼ ンチンのタンクローリー運転手がＵＦＯから光線を浴び大やけどを負ったり、１９６７年８月１３日、ブラジルのイナシオ・デ・ソウザがＵＦＯから緑色の光線 で撃たれ二ヵ月後に白血病で死亡など（『プロジェクトＵＦＯを追え！』読売新聞社、ＵＦＯ事件史年表参照）がある。また、人間の身体検査をさせてくれる代 わりに自分たちの技術を提供する密約をアメリカ政府と交わした異星人というような話が万一本当なら、一部の異星人にはますます注意しなくてはならないとい うことになる。クーパー証言の中でも「悪意をもつ異星生命体」の身体特徴などが紹介されている。しかし恐ろしい異星人というイメージは、意図的につくられ ている可能性もある。たまたま地球人と遭遇して、身の危険を感じて武器や麻酔を使うようなことは、その異星人が地球人レベルの精神進化状態からあまりかけ 離れていなければ、十分考えられることである。しかしアメリカの誘拐ケースで、逆行催眠で蘇った恐ろしい生体実験の目撃などは、にわかには信じ難い。いっぽう、アダムスキー派のコンタクティーは従来から、精神的に進化した異星人というイメージ を伝えており、コンタクトを目指すＧＡＰのメンバーはテレパシーによる意志伝達の訓練なども積んでいる。彼らが主張する異星人の飛来目的は、地球人の善導 である。我欲に塗れた人間が地球を滅ぼすだけでなく、宇宙にも迷惑をかけるかもしれないことは確かだろう。ＵＦＯ−異星人から、このままだと人類は滅ぶと いう警告のメッセージをうけ取ったという話は実に多い。これは最近の誘拐ケースでも、時折ある。ただし、これは異星人にいわれなくても、誰もが肝に銘ずべ きことであろう。
なお異星人が地球に来ているとして、それなら彼らはなぜ地球を占領しないのだというような議論 がある。この議論は極めて地球人的な発想であろう。強いものが力で征服していく野蛮さは或る進化段階にしかないと考えられないだろうか。もっとも、テクノ ロジーは地球文明を遥かに凌駕しているが、精神的にはあまり代わり映えのしない連中が地球を訪れたりすると困りものだが。異星人が来ているなら、なぜおお ぴらに姿を見せないのだという議論もある。パニックがおこるからそうしないのだという答えがＵＦＯ関係者の口からよく聞かれる。ウンモ星人の例や、その他 のコンタクトの例では、他の惑星の歴史に関与することを宇宙の摂理に反することと考える世界観が披瀝されている。
異星人に関し、さまざまなイメージがあるのは、異星人に種類の違い、進化段階の違いがあるから というふうに捉えることもできよう。画家の横尾忠則は異星人とコンタクトしていると称しているが、彼が接触している異星人は「宇宙連合」に属するタイプ で、「善い異星人」であるらしい。一方、「宇宙連合」に入っていない異星人グループは少数派だが、目下地球を訪れているのは、その道を外れた連中だという ような主張もある。私は話がここまで来ると、ちょっと待ってくれと言いたくなるが、異星人の精神的進化を予想した場合、道を外れた進化もありえることはう なずける。異星人のメンタリティーを地球人の基準で予想するのは無理があるという人たちもいる。別の惑星で何千年もの文明を築いていけば、地球人の倫理観 などとは全く共通点のない考え方が育っているかもしれないというのである。それもありうるだろう。『宇宙人ユミットからの手紙』でも、ウンモ星人が地球人 とは違って、個々人よりも社会を優先させ、社会のためには弱者を平気で抹殺する歴史ももっていたことが描かれている。その真偽はともかく、そういうことも ありうるだろうとは思われる。しかし、宇宙に共通する普遍的な考え方というものもあるのではなかろうか。シュタイナーの霊的進化論に接する限りでは、愛や 敬虔さのようなものが普遍的な価値として宇宙の存在者全体に広がっていると考えたくなる。ひょっとしたら「宇宙連合」とやらはそのような霊的な波動を共有 するグループなのかもしれないという想像すら湧いてくる。シュタイナーの霊的進化論でも、正道から外れた異常な進化がいくつも登場する。それは過去にも あったし、天使レベルから主天使レベルまで、さまざまなレベルの霊的存在にもあった。また今後、木星進化期、金星進化期の途上でも、逸脱した、矯正のきか ぬ進化が一部に予想されている。シュタイナーの進化論に基づいても、他の惑星系で地球人より進化した異星 人が、場合によっては宇宙の普遍的な価値観からはずれた性向をもつというようなケースが理解できるのである。現在地球を訪れているらしい異星人が、できる だけ善い異星人であることを願いつつこのテーマを終えたい。
次回のテーマは「臨死体験」。１１月２７日（土）午前１０ー１２時。
（注：なお、シュタイナーは月に棲むアストラル的小人について述べたこ とがある。それは「物質的」在り方すらもっているといい、大変興味深い。「人間の音の体験」読 書会通信１５にその部分の訳がある。）