読書会通信
１３
１９９１ 年７月１３日（土）午前１０時〜１２時
今回は読書会で読んだ部分は内容の説明で終わり、後はもっぱら、関連する事柄をあれこれ話し合った。なお、ペースは今まで通り３ペ−ジづつにし、「音の体験」が終わったら、「音の本質」を読み進めることになった。以下に雑談から収録。
（天使の位階と関連して）
Ｓ．Ｏ：悪魔存在の中でも、ルツィファ−はイメ−ジできるんですが、ア−リマンがいまひとつ分からないんです。位階はどうなっているんですか。
グッチ：ルツィファ−は堕天使から堕主天使までで、そのうち本当に自ら選んでルツィファ−になったのは、堕天使くらいで、たとえば堕主天使や堕力天使などは、摂理によって、そうさせられていたわけです。克服する悪があってはじめて、さらなる進歩があるので、神意で、逆の役目を背負わされたんです。堕主天使や堕力天使はそんなに悪いことはしていないんでして、堕力天使などは、惑星の生成をつかさどってます。
Ｓ．Ｏ：小惑星の元の惑星の爆発にも関わった。
グッチ：そう。（堕力天使と正常な力天使の間で、いわば宇宙戦争があって、その物質的現われが、火星と木星の間にあった惑星の爆発と小惑星の生成だということは、全集１１０にでている。なおこの話は、６月末、一般人智学協会員のハンガリー人とかわした興奮の２時間の独語歓談の中でも登場した。彼女には全集３５１番「人間と宇宙。霊の自然の中での働き。蜂の本質について。」を貸したが、非常に興味深いので、自分でも夏休みに行くヨ−ロパ旅行で買うといっていた。）
次にア−リマンですが、これは堕大天使から堕力天使まででして、地球周辺に限定された存在です。ルチファ−は物質界との対応でいえば地球圏外の太陽系内にもでていますが。
Ｉ．Ｋ：天使存在や人間などすべての存在が進化していくとして、動物も人間レベルになることがあるんですか。
グッチ：できます。鉱物にも、植物がもつエ−テル体の兆しはありますし。（できるといっても、現在 地上に徘徊する個体のライオンや象が人間に進化するのではなく、アストラル界にある、それぞれのグル−プ自我が、木星進化期に、ある種の人間存在になるという〔全集１１０、１８０ペ−ジ〕）。
Ｉ．Ｋ：人間のこの先はどうなるんですか。消えていくんですか。
グッチ：存在の形態が違うものになるんです。転生して地上で過ごす度にすこしずつアストラル体を変化させて霊我を形成していますが、木星進化期に入る時、その各生にわたって散在する霊我がいわば束ねられて、新しい「体」になります。この段階は、物質体のない、天使存在のレベルにあります。そういったことをもう２度、さらに高い次元で繰り返し、ヴァルカン進化期に入ると、人間だった存在は権天使のレベルに達します。そのあとは、獣帯進化期といって、惑星系の進化は終わります。獣帯、つまり黄道１２宮の影響を受けるのも、ヴァルカン進化期までで、獣帯進化期からは、もう受けません。主天使レベルだと、恒星を支配しますし、みずからが、獣帯の一部になっていくわけですね。しかしこうした進化は、真っすぐいった場合でして、いつでもドロップ・アウトはありえるわけです。
Ｓ．Ｏ：そして、あとから追いかけるのもいる。
（途中で進化が停滞し、おいかけて進化しだす霊的存在はいろいろいる。なお全集１０２では、自然霊はアストラル体を変えていくことができない〔原書１６９ページ〕 つまり霊的進化をしない
そもそも進化からはみでた存在であり、人間も、霊性を高めていかないと、木星進化期に入るとき低次の自然霊のような存在となってしまうといっている〔１７５〜１７６ページ〕。もっとも、現在存在する自然霊は、高次の霊的存在からちぎれてできた分霊である。地の精は権天使から、水の精は大天使から、風の精は天使から、火の精は猿のアストラル界の自我存在〔グル−プ魂〕などから分霊した。動物のグル−プ魂は全集１３６第４、５講演にあるが、主天使・力天使・能天使のグル−プから分霊している。全集１０２の１９８ページでも、鳥類の大部分は分霊だと言っている。そして、同じ箇所で、神々として崇められている高次存在のゼウスやヴォ−タン これらは、アトランティス人が霊視できた高次霊の神話化した神々だが の分霊が鷲やカラスのグル−プ自我になっていると解釈できるような話を述べている〔ということは、ゼウスや
ヴォ−タンの位階が主天使・力天使・能天使レベルということになるが、キリストが力天使、ヤ−ヴェが能天使レベルであることを考えれば、納得がいく〕。ゼ ウスから鷲の、ヴォ−タンからカラスのグル−プ魂が分霊したらしいのだ。そういえば、鷲のあの、きりっとした眼差し、威厳は、只者ではないと思わせる。カラスの知恵もたいしたものだ。しかし−−−どうでもいいけど、あのドテッとした無神経な雉鳩のやつのグル−プ魂のル−ツは何だろう。蜜蜂のグル−プ魂は、
人間が金星進化期に至った時に達するレベルにある〔全集１１０番１７９ページ〕が、それなら、大天使レベルだ。ずいぶん立派なものが分霊したものである。 すると、ゴキブリのグル−プ魂は？という変な疑問も生ずる。なお、以下に全集１１０、１７７ページにある、聴衆とシュタイナ−との質疑応答を訳出してお
く。
聴衆： 自然霊は人間になれるのですか？
シュタイナ−：高次存在の構成要素をすべて備えていないという形をとった存在があります。これらの存在はその高次存在から分霊されたわけでして、これが自然霊になります。このようなものは五万といます。この種の存在の生存期間はじつにさまざまです。彼らの進化はふつう下降線をたどり、そして完全に存在が消えてなくなります。ですから、たとえば、自然霊が進化して人間段階になるなどということは、問題外です。
Ｓ．Ｏ：『星界の音楽』に出ているんですが、シュタイナ−はレコ−ドからどうやって音楽がでてくるか、調べたそうなんです。そうしたら、針のところでグノ−ムが働いていた。実際の演奏の時は、黒いものがやってきて、それが人間を陶然とさせるのだけど、レコ−ドの場合はそれがないそうです。原書に当たってみたいですね。
グッチ：その黒い存在はルツィファ−かもしれない。それが人をうっとりとさせるのでは。
Ｓ．Ｏ：僕はレコ−ドでもなりますが。
グッチ：Ｙ．Ｍさんは生演奏の時に、レコ−ドの時とは全く違うものが突き上げてくるのを感じるといってたな。
Ｓ．Ｏ：ところで、このアシュラって何ですか（以前配ったヒエラルキ−の表の、権天使の神智学名を示して）。
グッチ：あ、それ、ぼくにもよく分からない時そのまま書き込んだもの（『ア−カ−シャ年代記より』 訳本１５２ペ−ジで、権天使が、キリスト教秘密教義では「根源の力」（Archai)と表現され、神智学文献では、アシュラと命名されている、とある。） でも、別のアシュラがあることが、後で分かった。
（ 聴衆とシュタイナ−の問答（全集１１０、１７８ペ−ジ）。
アシュラについて。
シュタイナ−：アシュラ この悪しき存在 は、その悪に向かう意志において、ア−リマン的存在よりも一段階高く、ルツィファ−的存在よりも二段階高い存在です。）
グッチ：（また、全集９３ａ，１４８〜１５０ペ−ジでは、このアシュラ存在について詳しく説明されている。それに基づいて）そのアシュラは、人間の低次の思念という殻を体として、その中に宿って、存在をえるそうだ。これは人間が作った自然霊。アシュラの実体は月進化期にはすでに霊我を完成していたが、生命霊の形成がないため、異常な存在形態にある。全く、シュタイナ−を読んでいると、霊的存在がうじゃうじゃ出てくるって感じ。
以上、Ｓ．Ｏさんとはよくこのようにシュタイナ−の突っ込んだ話をするのだが、今回は、その話を記憶からおこしてみた。話した通りではないかもしれないが、要旨は一致しているはずである。
次回読書会は８月はお休みにして、９月２１日 １５２ペ−ジ３つめの段落から３ペ−ジ見当。