読書会記録
１３
１９９１年７月１３日
範囲：１４９ペ−ジ２つめの段落〜１５２ペ−ジ２つめの段落の終わりまで
１４９ペ−ジ２つめの段落
１〜２行目 zwischen dem Aufwachen und Einschlafen 「覚醒と入眠の間」
８行目 zwischen dem Einschlafen und Aufwachen 「入眠と覚醒の間」
グッチ：いつも思うんだけど、シュタイナーは、こうした言い方で人の頭を疲れさせる。このふたつが、入れ替わりたち替わり出てくると、一瞬立ち止まって、ええっと、起きてる時、ええっと、眠っている時、と頭の中で置き換えなければならない。ここは、 分析的に言いたいところだったんのだろうけど、簡単に im Wachzustand 「覚醒状態」、 im Schlafzustand 「睡眠状態」と言えば言えるような時でも、シュタイナーはよく、こう いう言い方をする。具体的は具体的なんだけど、その使い方が、数学的というか、やや記号的な気がする。
Ｓ．Ｏ：そうですね。
４行目 in seiner physisch-aetherischen Umgebung 「その物質的・エ−テル的環境」
以下 この「物質的・エ−テル的」は、die physisch-aetherische Welt ｢物質・エ−テ ル界」とともに、ひとまとめの概念で用いられている。「物質・エ−テル界」は、１５０ペ−ジの３つめの段落に見られるように、die uebersinnliche Welt 「超感覚的世界」と 対置されている。それでは、エ−テル界は超感覚的世界じゃないのか、という疑問がわいてくるかもしれない。しかし、この「物質・エーテル」の結合は、文脈 から言って、睡眠中、地上に残る「物質・エーテル体」と、超感覚世界にでる「自我・アストラル体」の区別がシュタイナーの頭にあることから生じた結合と思 われる。その限りではエーテル要素は超感覚的ではないわけだ。
１５０ページ
２つめの段落３〜４行目 die drei Reiche der Natur beziehungsweise vier Reiche
「自然の３つの領界ないし４つの領界」
３つの領界の場合は、人間界を省き、鉱物界、植物界、動物界。
この段落の下から３〜最後の行 das Reich der Angeloi,der Archangeloi, der Exu- siai, Dynamis, Kyriotetes und so weiter.「天使、大天使、権天使、能天使、力天使、主天使などの諸界」
グッチ：音楽関係の人に導入の話を始めたかと思うと、ドドーンと一気にここまで話してしまう。シュ タイナーは、聴衆の受容力に気を配っているようでいて、案外そのへんのところを突き抜けてしまう。
Ｓ．Ｏ：ヨーロッパの人ならそれほど違和感がないのでは。日本でなら、お不動様とか観音様とかい うほどのことかもしれない。
グッチ：ここで挙げているいるのはヒエラルキーの２群までであって、一番高次の群である、座天使・ 智天使・熾天使は、「など」の中に入れられている。
Ｓ．Ｏ：表を見ないとすぐ分かりませんね。
（私が話したヨ−ロッパ人の中で、この位階が全部頭に入っていたのは、アントロポゾーフのハンガ リー人、Ｔさんだけだった。去年の夏会った、カトリック大学アイヒシュテットのドイツ語教授法の教授は、私がこの位階をそらんじたら、暗示を使った語学教 育法のサジェストペディアの話や、角田忠信の日本人の脳について話した後だったこともあってか、「キミの頭の中には、いろいろなものが入っている」と いうだけだった。或るオ−ストリアの哲学の博士号をもつ女性は、天使と大天使はどう違うのかと私に聞いた。Ｔさんは、私が「恒星を司る高次霊は Herrschaften だとシュタイナーは言ってます」といったら、「Kyriotetes のことですか」と、すぐ対応するラテン語名が出てきた。神学をやっているのでもない限り、一般には、聖書の中にでてくる天使、大天使、それからケルビム （智天使）、セラフィム（熾天使）の名を知っているぐらいなのだろう。カトリック大学にも神学をやっている講師がいたが、誰もが認める奇人だったので、私は近付かなかった。しかし−−−ということは？）
３つめの段落１行目 Wir haben also zwei Welten, die sich gegenseitig durchdringen: die physisch-aetherische Welt und die uebersinnliche Welt. 「つまり互いに浸透しあっている２つの世界、物質的・エーテル的世界と超感覚的世界があるわけです」
物質界、エーテル界、それ以上の界は、別々のところにあるのではなくて、同じところに、いわば 構成要素の霊的密度が違うだけで、重なり合って存在している。
同じ段落下から２〜１行目 wegen der fehlenden geistseelischen Organe 「霊的。魂的期間が欠けているため」
この器官に関しては、前回、「器官の作り方」を「いかにして超感覚世界の認識を獲得するか」の ノ−トからコピーして配った。
１５０ページ下から２行目〜１５１ペ−ジ１行目 Von einer Seite naemlich, von der Seite der physisch-aetherischen Welt und ihrer Geschichte, haben wir dieses Ereignis schon des oefteren besprochen.「私たちは、一つの側から、つまり物質・エーテル界とその歴史の側から、既にこの出来事をしばしば論じました。」
人間の霊性を否定したコンスタンチノープルの公会議（３８１年）や、キリスト教の国教化 （３９２年）など、キリスト教の人間化のことか。
１５１ページ 最初の段落舌から２〜１行目 dasjenige, das in das 4. nachchristlicheJahrhundert einfaellt. 「紀元４世紀に起こった出来事」
後で分かるように、思念の担い手が、能天使から、一段階人間に近い権天使に移ったこと。
(文中のドイツ語で、ウムラウトがついているものは表示できないため、ウムラウト の変わりにeを後につけてある。またエスツェットは全てssに変えてある）