読書会記録
１４
１９９１年９月２１日
１５２ページ３段目ー１５５ページ３段目の終わりまで
１５２ページ３段目上から４ー６行目 zu jenen Wesen, von denen mir geoffenbart wird durch die Mysterienwissenschaft als den Wesen der Form, als den Formkraeften, Formwesen.「密儀学によって形態の霊的存在、形態の諸力、つまり形態の諸存在として私に明かされる、あの高次の存在に」
能天使の位階にある高次存在を、密儀学は以上のように呼んでいるというわけだが、人智学でも Geister der Form （形態霊）と呼ぶ。この箇所、関係文を単独の文に直すと、Es wird von den Wesen durch die Mysterienwissenschaft als den Wesen der Form,als den Formkraeften, Formwesen, geoffenbart.と自動詞の受動文となる。als 以下が三格になっているのは、 von den Wesen の 複数三格 den Wesen と同格だから。
このペ−ジ下から二行目ー１５３ページ１行目 Er sah als alter Grieche diese Form- wesen etwa wie von ihren Gliedern ausgehen lassend leuchtende Gedankenkraefte,
「この古代ギリシャの参入者の目に映った形態の諸存在の姿は、自らの霊的肢体から思念を放射させ つつ輝く諸力のようなものであり」
臨死体験者の多くが見るという光輝く存在が、高次の霊的存在とすれば、このような形容も理解で きないことはない。文法的には lassen の目的語が欠けていて、wie 以下は、wie von ihren Gliedern Gedanken ausgehen lassend leuchtende Kraefte の錯構だと思うがどうだろうか。
１５３ページ９ー１１行目 wie sich diese uebersinnlichen Wesen gegenseitig die Gedankenkraefte zustroemenlassen, wie sie voneinander sie empfangen,「この超感覚的諸存在が相互に思念の諸力を注ぎ合い、受け取り合う様子」
グッチ：高次存在の行為は Urmusik(原音楽）を奏でる天球の音楽として聞こえるから、この場合も聞こえるはずだ。
Ｙ．Ｍ：聞いてみたいわ。
図を見ながら
グッチ：能天使（Ｅ）と形態の霊はバツ印でつなげてあるけど…権天使と始源の場合のイコールと同じ意味で使っているのかな。
他の人：ううむ。そうじゃないかな。
１５４ページ２つ目のパラグラーフ So wie wir heute glauben,das Rot oder das Blau an den Dingen wahrzunehmen, so fand der Grieche einen Gedanken nicht bloss mit seinem Kopfe erfasst, sondern hervorstrahlend, herausstrahlend aus den Dingen, wie eben das Rot oder das Blau herausstrahlt.「こんにち我々が事物に赤や青を知覚していると思うように、ギリシャ人は或る思念を頭で理解するだけでなく、ちょうど赤や青 の色彩が眼を射るように、その思念が事物から輝き出で、放射するのを見たのです。」 この「ギリシャ人」が、ギリシャ人一般なのか、秘儀参入者なのかが問 題だ。秘儀参入者だったら、霊視は別にギリシャ時代に限ったことではないのでこんなふうには言わないのではないか。すると一般のギリシャ人が霊視的能力を もっていたということになるが、アトランティス時代や、古代インド、古代ペルシャ時代ならいざ知らず、エーテル体が物質体にすっかり重なったギリシャ・ ローマ時代にこのようなことがありえたのだろうか。あとのパラグラーフにあるように、紀元前の時代から紀元後の１２、１３、１４世紀（これは第４文化期の ギリシャ・ローマ時代にあたる）が、超感覚的世界を見る視野がすっかり暗くなり始める時期だとするなら、現代ではすっかり失われてしまったその能力が、そ の頃かすかに残っていたというのだろうか。
１５５ページの図で権天使と能天使の間に境があるのを見ながら
グッチ：ああそうか、やっぱりこうも言えるな。アトランテイス時代の人間は霊視能力があるといっても、ルチファーの影響で、権天使までしか見えなかった。それ以上の存在を見るには、特別に秘儀参入する必要があった。権天使と能天使の間にはその頃から、一種の境界があったわけだ。その境界に能天使が感覚世界のとばりを下ろしたと言える。
(文中のドイツ語で、ウムラウトがついているものは表示できないため、ウムラウトの変わ りにeを後につけてある。またエスツェットは全てssに変えてある）